4月見た映画

▼ゴースト・イン・ザ・シェル(4D3D吹替)

 だいぶ好きだったが、攻殻機動隊というより素子の映画だった。素子と時々バトー。この映画自体が素子(劇中ではミラ・キリアン少佐)の出自の謎を探るストーリーなので、まあ素子回と考えればいいのかなという気もするけど。トグサ(チン・ハン)が切れ者っぽくてかっこよかったんだけどあんまり見せ場がなかったし、見せ場は一応あったものの大好きなサイトーは登場シーン約2秒。イシカワ、ボーマも一応居るけど、パズの代わりにラドリヤという女性がメンバーに入ってる。紅一点だとアレ的にアレだったのかな。

 スカーレット・ヨハンソンの少佐はかなり良かったよね。メスゴリラ感出てた(褒め言葉)。当然すごい美人なので全身義体の作り物っぽさもかなり強調されてた感じもあった。バトーのピルウ・アスベックもめちゃくちゃバトーだった。あまりにも本物過ぎてちょっと笑ってしまうレベル。

 さすがのドリームワークスさんという感じで素子たちの暮らす世界は本当にそこにあるみたいにリアルで、サイバーで、スラムで、雑多で過剰で和洋折衷で凄くよかった~。わたしもあそこに住みたい。VRソフトかなんかで出してほしい。

 素子が女子高生という設定をどこかで見て、どういうこっちゃと思って見ていたけど面白い切り口だった。アニメ本編ではかなり断片的で複雑な素子とクゼとの出会いを、映画用にかなり分かりやすくシンプルにまとめていて、それが素子とクゼどっちの行動原理にも繋がっているというのがなるほどね~と思った。

 タチコマは出ないのかなと思ってたけど、戦闘シーンで敵の戦闘兵器っぽい感じでそれらしいのが登場しましたね。

 あと素子の母親のハイリ(桃井かおり)の吹き替えが桃井かおりじゃなくて、俳優の大西多摩恵がだいぶ桃井かおりに寄せた演技でやってたことはちょっと面白かった。

 

夜は短し歩けよ乙女

 良いに決まってるじゃん。あとチケット特典の先輩から乙女への手紙もよかった。

 映画用に凝縮されたストーリーになっていて、一年が一日ぐらいに縮まってたりしたみたいだけど、時間の流れが延びたり縮んだりする感覚、独特の色彩感覚、およそ平常の人間とは思えない挙動の登場人物たち、ぐるぐる展開していく映像は多分ストーリーを理解してなくてもじゅうぶん楽しいんだろうなと感じる。

 古本市のシーンで小津(と同じ外見の子供)が出てきたので笑った。

 

美女と野獣(字幕)

 最高でしたね~。今、美女と野獣をやるならそのまま実写にするんじゃ駄目だろうなと思っていたけれど、うまいこと持っていったな~と思った。

 野獣のデザイン、だいぶヤギ要素が強めで、ヨーロッパ的デザインだなあと思った。確かに野獣なんだけど、あまり獰猛な感じはなくてむしろ賢者っぽい雰囲気もある。自虐的に「高等な教育を受けた」とも言ってたけどね。

 本が好きで田舎暮らしに飽き飽きしているし、変人と思われてちょっといじめられちゃってるベル。この時代は女性が勉強する(したいと思う)なんて理解不能なことだったんでしょうかね。町民は全体的にあまり物事を考えてないというか、乗せられるままに動いていくように描写されてたし。そんなベルが、野獣(しかも自分と同じくらい本の話ができる)から膨大な本を図書館ごと「あげる」なんて言われたらそりゃもう好きになっちゃうよな。何なら初めて話の通じる相手に出会ったくらいの勢いだもん。

 野獣がベルのためにパリに連れて行ってあげるシーンなどは素敵でしたね。ベルと父がバラにこだわっていた理由を野獣も察して、父を幽閉した件の和解に繋がるいいシーンなんですよね。

 『美女と野獣』ファンあるあるとして、「野獣のままのほうがよかった」という意見があると思う(わたしもそう思う)んだけど、最後のシーンの

ベル「ヒゲを生やしたら?」

王子「がおー」

の可愛いやりとりで回収されましたね。

 野獣がハンサム王子になってめでたしめでたしだったら、顔以外ゴミクズのガストンとくっついても変わらないじゃんっていうことなんだけど、当然ベルは野獣の内面を愛しているわけなので、容姿は関係ないんですよね。でもそれはそれとして、愛する人の容姿が当初好みじゃなかったとしても愛着がわくものなんだよな。もふもふ状態の野獣とずっと過ごしてたベルはもうその姿を気に入ってたんだろうと思うし、何よりファンを代表してよくぞ言ってくれた。正妻に言うセリフじゃないが。

 ガストンとル・フウの関係も良かったですね。ル・フウは調子のいい腰巾着のようでいてガストンをうまく転がしてるし、間抜けなガストンを可愛く思ってるような節があるし、ガストンが人気者でいるのを喜んでるんだよね。ガストンも自分を愛してくれてる人がずっとそばに居たのに、美女=好きぐらいの単細胞なので全然通用しなかった。本当にアホです。ル・フウは切ないけど重要なキャラクターになってましたね。ガストン役の人(ルーク・エヴァンス)がめちゃくちゃガストンでびっくりした。完全にアニメがそのまま実写になってましたね。

 折に触れて何度も観たい映画になりました。