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ズートピア2D吹替(レビューサイト既読)

2016.05.07 11:50

AC スクリーン7

 

 GWなので自分を甘やかそう企画。映画一気見の日。

甘やかしてるのか強いてるのか分からないけれども、

 

ズートピア

スキャナー 記憶のカケラをよむ男

ヒーローマニア-生活-

(見た順)

 

を見ることにした。

 

 まず初めはズートピア。

ディズニー映画ということもあり、いつもよりお客さんは多い。家族連れも。

 今日の初めなので、GODIVAショコリキサー600円を購入。

大好きなのだけど600円もするのがな~

 

 吹替しかなかったのが悔やまれる。字幕もあったら吹替と字幕で2回見ていたと思う。

多分これは字幕で見ないと面白くない!

森川さんのニックは大変よかったです。

あとライオンハート市長が玄田哲章さんでしたね。

ジュディの上戸彩さんも、ジニファー・グッドウィンが良過ぎるせいか賛否両論見かけるけど、わたしは好きだった。意志が強い感じや若さ(青さ)が出てたと思う。

 

 なんにも考えずに見ていてもメチャクチャ楽しいし、

色々考えながら見ても身につまされるようなところもあった。

とにかく展開が早くて場面がもの凄く多いのに、よくまとまっているというか、隙がない。前半で散りばめた問題提起を上手に一つずつ回収していってる。カタルシスもある。

脚本が7人もいたしエンドロールもめちゃくちゃ長かったし、たくさんの人達が関わって作り上げてるんだなあという印象。

 

 まず、キャラクターのデザイン・設定がめちゃくちゃ可愛い。

 主人公のジュディ。ウサギは肉球がなくて、フワフワの白い手のひらが可愛い。

ディズニープリンセスは口の片側だけクイッて上げるセクシーな笑い方が特徴だと思うんだけれど、ジュディもそう。賢そうに見える。

 免許センターの職員がみんなナマケモノ。これは大人向けのジョークだろうなあと思う。ゆっくり大笑いするフラッシュはすごく可愛い。のろまに見える彼にジュディがやきもきするシーンもあり、アメリカでも日本でもそういうとこは同じなのね。

 スーツを着たレミングの集団はサラリーマンだろうなあ。

 ジュディが同僚となる警察官たちは屈強な動物ばかり。署長も水牛だしね。水牛はサバンナ最強でライオンより強いらしい。

 それぞれの動物に合った環境の町作りがされていて、ネズミにはネズミ向けのミニチュアな町があるし、砂漠の町、氷河の町、色々ある。色んな町がギュッと集まっているのはデザインとしてもすごく面白い。

 

 そして上述したように動物の配役一つ一つが細かいなあと思うのである。

 ジュディはウサギ初の警察官になるわけだけれど、そもそも田舎の両親は夢を持つこと自体に反対している(「ウサギはニンジン売りになるべき」と言ってる)し、回される仕事は駐車違反の取り締まり。警察学校を首席で卒業したのに、思うような評価を受けられずジュディは落胆、憤慨する。(仕事に関しては、新人なのだから危険な仕事をさせないのは当然でしょって思った)

 相棒になるキツネのニックも、キツネは嘘つきだと決めつけられ、就職できないため詐欺師をして暮らしている。

 他にも「ズートピアでは何にだってなれる」と言ってるライオンハート市長はライオン(肉食)で、副市長としてこき使われてるベルウェザーがヒツジ(草食)だったり。

 これらが全て後半になるにつれ必要不可欠な配役だったということが分かる。

 

 パロディもたくさん散りばめられている。これは色んなレビューサイトに画像つきで詳しく載ってるので書かない。一番好きだったのは、ボゴ署長からジュディへの台詞(うろ覚え)。

「現実はミュージカルみたいに歌えばなんでも解決するってわけじゃないんだよ諦めろ、ありのままに(Let it go)」

これはアナ雪の揶揄であり、ディズニーの自虐なのかな。

 

 非常に雑な言い方をしてしまうとこの物語は警察官と詐欺師のバディもの、なんだけれど、

・ジュディ(ウサギ、草食、警察官、お上りさん、幼少時キツネと喧嘩して怪我をする)

・ニック(キツネ、肉食、詐欺師、夢を諦めている、幼少時草食動物にいじめられ挫折する)

この対立構造だけでもなんだか色々と察してしまうのである。

二人(二匹?)はくっつくのかと思いきや、深い友情で結ばれることになるところは凄くよかった。男女だからって全部恋愛にしてほしくない。

 

 野生に戻ってしまった動物たちを隔離していたことでライオンハート市長は逮捕されてしまうんだけれど、そうなる前に科学者に言っていたこと(うろ覚え)、

・野生に戻る症状が出ているのは肉食動物だけ、そんなことを市民が知ったらどうなる?

・肉食動物である自分が市長をしていることを市民たちはどう思う?

・(上述したことは)市民に知られてはいけない。早く原因を突き止めろ。

こんな感じのことを言っていたんですが、

これは別に保身でもなんでもなく、政治家として真っ当な意見だと感じた。

原因が分かっていないのに症状だけ周知されてしまっては、無意味な恐怖を与えるだけだしね。ましてや市長自身も信用を失うとなっては、どうしたって市民をまとめることができなくなってしまうし。

 

 この発言を聞いたジュディは義憤に駆られてライオンハート市長を逮捕するに至る。

でもそれって、自分が草食動物として不当に扱われているという気持ちも多少含まれていたと思うのよ。

 そしてこのあとの記者会見で、彼女のなかの隠された偏見が(きっと本人も気づいていなかっただろう)明るみになり、それによって一度は結束したニックとの距離も離れてしまう。

 相棒になってくれないかと頼まれて、一度は記入しかけた入学手続きをジュディに突き返して去るニックは凄く悲しかったと思うし、自分は平等な視点を持っていると「思い込んでいた」だけだったことに気付いたジュディもショックだっただろうと思う。

 

 結局、黒幕は副市長のベルウェザーだったことが分かるんだけど、ベルウェザーは悪人(悪羊か)だったのかと言われると、これも微妙な話で。

名ばかり副市長としてこき使われて、有り合わせのマグカップ(ロゴの世界一のパパ、のパパの部分を赤ペンで消して副市長と書き直されてる)なんか押し付けられて、これでは市長を陥れようと思っても仕方がないんじゃないか。草食動物が市長になったら世論も大きく動きそうだしね。

 

 ベルウェザーの自白を誘発するために一芝居打つシーンがある。映画冒頭で幼いジュディが学芸会で行ったのと同じように、肉食動物(ニック)に襲われて大袈裟に死んでみせるシーンだ。

学芸会では、「でもこんな(前時代的な)ことはもうあり得ません」という文脈で語られていたが、直後にいじめっ子のギデオン・グレイ(キツネ)と揉めて怪我をさせられている。肉食も草食も関係ないという語り口から、今でも肉食動物は野生の本能を持っているということが示され、ジュディの中にもトラウマとしてそれは植えつけられている。

それを物語の最後でもう一度、学芸会と同様に大袈裟に演じてみせることで、「やっぱり、草食も肉食も関係ないんだ」とジュディの腹が決まったことが分かる。そして自分のトラウマをもここで解消してしまう。

なんというカタルシス。上手いというか巧いというか。さすがディズニーだと思った。

 

 この物語は一応完結するけれど、何もかも全て解決されたわけではない、とは言え、みんなの心の中が少し良い方に変わったんだろうと思える。きっとこれからも彼らは色々な困難を乗り越えていくんだろうと思わせるエンディング。

ニックがキツネ初の警察官になるのも、ちょっとハッピーすぎるけれど「ズートピアでは何にだってなれる」というポイントを最後に思い出させてくれた。

 

とりあえず凄くよかった。めっちゃ長くなった。

早くDVDを出してほしい。