読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ヒーローマニア-生活-(原作未読)

2016.05.07 18:20

AC スクリーン4

 

 自分を甘やかそう企画第3弾。

(関係ないけど、「弾」と「段」があることに気付いた。意識せず使っていた恥ずかしい)

 

 お腹が空いていたので、チーズホットドッグ420円と、いちご&ピンクグレープフルーツソーダ420円を購入。

オリジナルホットドッグにすればよかったなとちょっと後悔。

 

 チケットを買ったときには先約があったのを見たんだけれど、まさかの貸し切りでした。めちゃくちゃ寛いで見たよ。

 

 正直に申し上げて、窪田正孝が見たかっただけ。(公開前のビジュアルなども見て、万が一はまらなくても、窪田さん演じるキャラ萌えだけで2時間耐えられると判断)なのだが、東出昌大はしゃべくりで見て好きだったし、小松菜奈ファム・ファタールっぽくて好きだし、仮面ライダードライブを見てたので片岡鶴太郎も好きだった。つまるところ主要メンバーは皆好きだったので密かに楽しみにしていた。

 原作は福満しげゆきの漫画『生活』。Webで冒頭のみ立ち読みできて、面白そうなので単行本を買おうかなと思っている。

 

 監督・豊島圭介は『新耳袋』の人というイメージ。脚本・継田淳は『山形スクリーム』『めめめのくらげ』などは見たことがある。未見だけど『虎影』の脚本も書いておられるね。

二人とも新耳袋シリーズや、ドグちゃんシリーズに関わっていると知り少し嬉しい(窪田さんと、斎藤さんが出ているため)。ドグちゃんは近いうちに見たいなあと思ってる……思ってるだけになりそうな気もする。

 

 さて、映画の感想を書く。

 

 なんかもう最底辺のような暗くて汚くて町に住んでいる中津が土志田と出会ってカオリと出会っておじさんと出会って……社会にあぶれた人間が正義感だけ持て余して鬱屈としているのってとても現代っぽい。その反面、おじさんみたいにサラリーマンをして、娘も自立して子供が生まれたりしている柔らかな普通の幸せも存在している。これは彼らの主観の世界の違いなのかなと思う。

 そして肝心の土志田くんは……とっても素敵だった。ニット帽、大き目のモッズコート、指ぬきグローブ、だぼっとしたハーフパンツ、バッシュ。サイズ感が最高にかわいく、そして中二心をくすぐる。野村哲也の描く少年みたい(すばせかのネクとか)。

根暗だけどいい子で、誰よりも中津のことを大事に思っているというか、実質唯一の友人なのです。激昂するシーンなどはさすが窪田さんで、暗さや優しさがよくわかった。

 ストーリーはギュッと詰め込んだ感じで、急展開過ぎて置いてきぼりになったりもしたが、ストーリーを見る映画では多分ないのだと思う。吊るし魔が警備会社になったことでダークヒーローが形骸化していくところなどは現実的な話だと思ったし、違和感を覚えながら何も言い出せない中津の気持ちもよくわかる。

 船越さんの胡散臭さといったら。最初に出てきたときはいい人???って思ったけど、全然違った。とんでもねえやつだったよ。めちゃくちゃ気持ち悪くて最高だった。最後にちゃんと辱めを受けるところもスカッとして少年漫画らしくてよかった。

 

 音楽が好きだった。効果的というか、漫画的。書き文字みたいにドーンと使われる曲が、脈絡がないようでいて町の混沌を表してると思う。DAOKOの曲がよかった。

自分のテーマ曲はなんだろうとか考えたりすると、そこにいる全員に一曲ずつテーマがあるという仮定が生まれる。そんな風に考えると社会はつねに爆音だなあと思う。

 

 自分を甘やかそう企画はこれで終了。

今後もたまに開催したい。感想は見た直後に書かないとだめだね。

 

スキャナー 記憶のカケラをよむ男

2016.05.07 14:10

AC スクリーン8

 

 自分を甘やかそう企画第2段。

立て続けに2本目を見る。

ブログのタイトルにもした柚子ジンジャーソーダ420円を購入。

 

 さて、率直な感想を書くと、いまいち乗れなかった。

野村萬斎宮迫博之も大好きなんだけれど。

音楽学生・亜美(杉咲花)に対する担当教員・雪絵(木村文乃)のセリフ、

「あなたには才能があるんだから」

これにどうしても拒否反応が出てしまった。

作中で本当に何度も何度も繰り返されるセリフで、大切な局面で仙石(野村萬斎)を勇気付けたり?もするんだけど……

 

 「才能がある」っていう言葉はとても無責任で押しつけがましいと感じてしまう。

単なる向き・不向きの話ではなくて、音楽や美術などの価値基準が万人に分かりづらい分野では、特に慎重に扱わなければいけないものだと思っている。

当人がどんなに努力して手に入れた能力でも「才能」の一言で片付けられることはままあるし、才能がなかった大多数の夢も勝手に背負わされてしまう。

ましてやその道のプロを目指している人間にかける言葉としては最悪で、下手をすればその芽を枯らしてしまいかねない。

そんな言葉を不用意に教員が使うことに非常に違和感をもったのです。

 

 そんなわけで序盤でめちゃくちゃ引いてしまって、なんだかとても冷静な気持ちで観賞してしまった。

 頻繁に回想シーンが挟まって過去と現在を行ったり来たりするんだけど、現在の亜美と雪絵の2ショットは「先生の夢を私に押し付けないで」と仲違いする場面しかなく。それなのに亜美が行方不明になった雪絵のことを「素敵な人だから探してほしい」と依頼するのは、(分かるけど)ちょっとこの子情緒不安定すぎやしないかと思ったり。

記憶から人の悪意を読み取ってしまうため人間不信の仙石に、「素敵な人だっているよ」という亜美の働きかけが必要なのだとしたら、もっと亜美が雪絵を慕っていることが明確に示される描写がないと足りないのではないかと感じた。見てる側には、才色兼備で将来を有望視されていたが事故で弾けなくなった、という一般的な情報しか与えられてないので。もっとパーソナルな描写が欲しかったなあ。

 

 仙石と丸山のやりとりは、いがみ合いつつもお互いの一番の理解者なんだということが言葉の端々から感じられたし、仙石がインチキと呼ばれることに一番憤っているのは実は丸山なのだという描写もよかった。

主要コンビに長い歴史や信頼関係が感じられるのは古沢良太作品の好きなところ。

 

 脚本・古沢良太の作品はいくつか見たことがあって(『探偵はBARにいる』とか『リーガル・ハイ』とか)、

好きなところは色々あるんだけど、たまに説教っぽく聞こえることがあって。全部言い過ぎちゃうというか……。

 

 最終的には丸く収まって、ハッピーエンド風ではあるんだけど、

雪絵の前に犠牲になっていた二人は報われないまま(劇中でもほぼ登場しない)だし、丸山の借金は残ったままだし、マイティーズは復活するのかも分からない。

全体的にモヤッとしたまま終わってしまった感じがある。

でも野村萬斎を映画で見るのは『のぼうの城』以来だし、カチッとした硬めの青みがかった映像や仙石の部屋の熱帯魚などはいかにも推理ものっぽくてとても好きでした。

 

ズートピア2D吹替(レビューサイト既読)

2016.05.07 11:50

AC スクリーン7

 

 GWなので自分を甘やかそう企画。映画一気見の日。

甘やかしてるのか強いてるのか分からないけれども、

 

ズートピア

スキャナー 記憶のカケラをよむ男

ヒーローマニア-生活-

(見た順)

 

を見ることにした。

 

 まず初めはズートピア。

ディズニー映画ということもあり、いつもよりお客さんは多い。家族連れも。

 今日の初めなので、GODIVAショコリキサー600円を購入。

大好きなのだけど600円もするのがな~

 

 吹替しかなかったのが悔やまれる。字幕もあったら吹替と字幕で2回見ていたと思う。

多分これは字幕で見ないと面白くない!

森川さんのニックは大変よかったです。

あとライオンハート市長が玄田哲章さんでしたね。

ジュディの上戸彩さんも、ジニファー・グッドウィンが良過ぎるせいか賛否両論見かけるけど、わたしは好きだった。意志が強い感じや若さ(青さ)が出てたと思う。

 

 なんにも考えずに見ていてもメチャクチャ楽しいし、

色々考えながら見ても身につまされるようなところもあった。

とにかく展開が早くて場面がもの凄く多いのに、よくまとまっているというか、隙がない。前半で散りばめた問題提起を上手に一つずつ回収していってる。カタルシスもある。

脚本が7人もいたしエンドロールもめちゃくちゃ長かったし、たくさんの人達が関わって作り上げてるんだなあという印象。

 

 まず、キャラクターのデザイン・設定がめちゃくちゃ可愛い。

 主人公のジュディ。ウサギは肉球がなくて、フワフワの白い手のひらが可愛い。

ディズニープリンセスは口の片側だけクイッて上げるセクシーな笑い方が特徴だと思うんだけれど、ジュディもそう。賢そうに見える。

 免許センターの職員がみんなナマケモノ。これは大人向けのジョークだろうなあと思う。ゆっくり大笑いするフラッシュはすごく可愛い。のろまに見える彼にジュディがやきもきするシーンもあり、アメリカでも日本でもそういうとこは同じなのね。

 スーツを着たレミングの集団はサラリーマンだろうなあ。

 ジュディが同僚となる警察官たちは屈強な動物ばかり。署長も水牛だしね。水牛はサバンナ最強でライオンより強いらしい。

 それぞれの動物に合った環境の町作りがされていて、ネズミにはネズミ向けのミニチュアな町があるし、砂漠の町、氷河の町、色々ある。色んな町がギュッと集まっているのはデザインとしてもすごく面白い。

 

 そして上述したように動物の配役一つ一つが細かいなあと思うのである。

 ジュディはウサギ初の警察官になるわけだけれど、そもそも田舎の両親は夢を持つこと自体に反対している(「ウサギはニンジン売りになるべき」と言ってる)し、回される仕事は駐車違反の取り締まり。警察学校を首席で卒業したのに、思うような評価を受けられずジュディは落胆、憤慨する。(仕事に関しては、新人なのだから危険な仕事をさせないのは当然でしょって思った)

 相棒になるキツネのニックも、キツネは嘘つきだと決めつけられ、就職できないため詐欺師をして暮らしている。

 他にも「ズートピアでは何にだってなれる」と言ってるライオンハート市長はライオン(肉食)で、副市長としてこき使われてるベルウェザーがヒツジ(草食)だったり。

 これらが全て後半になるにつれ必要不可欠な配役だったということが分かる。

 

 パロディもたくさん散りばめられている。これは色んなレビューサイトに画像つきで詳しく載ってるので書かない。一番好きだったのは、ボゴ署長からジュディへの台詞(うろ覚え)。

「現実はミュージカルみたいに歌えばなんでも解決するってわけじゃないんだよ諦めろ、ありのままに(Let it go)」

これはアナ雪の揶揄であり、ディズニーの自虐なのかな。

 

 非常に雑な言い方をしてしまうとこの物語は警察官と詐欺師のバディもの、なんだけれど、

・ジュディ(ウサギ、草食、警察官、お上りさん、幼少時キツネと喧嘩して怪我をする)

・ニック(キツネ、肉食、詐欺師、夢を諦めている、幼少時草食動物にいじめられ挫折する)

この対立構造だけでもなんだか色々と察してしまうのである。

二人(二匹?)はくっつくのかと思いきや、深い友情で結ばれることになるところは凄くよかった。男女だからって全部恋愛にしてほしくない。

 

 野生に戻ってしまった動物たちを隔離していたことでライオンハート市長は逮捕されてしまうんだけれど、そうなる前に科学者に言っていたこと(うろ覚え)、

・野生に戻る症状が出ているのは肉食動物だけ、そんなことを市民が知ったらどうなる?

・肉食動物である自分が市長をしていることを市民たちはどう思う?

・(上述したことは)市民に知られてはいけない。早く原因を突き止めろ。

こんな感じのことを言っていたんですが、

これは別に保身でもなんでもなく、政治家として真っ当な意見だと感じた。

原因が分かっていないのに症状だけ周知されてしまっては、無意味な恐怖を与えるだけだしね。ましてや市長自身も信用を失うとなっては、どうしたって市民をまとめることができなくなってしまうし。

 

 この発言を聞いたジュディは義憤に駆られてライオンハート市長を逮捕するに至る。

でもそれって、自分が草食動物として不当に扱われているという気持ちも多少含まれていたと思うのよ。

 そしてこのあとの記者会見で、彼女のなかの隠された偏見が(きっと本人も気づいていなかっただろう)明るみになり、それによって一度は結束したニックとの距離も離れてしまう。

 相棒になってくれないかと頼まれて、一度は記入しかけた入学手続きをジュディに突き返して去るニックは凄く悲しかったと思うし、自分は平等な視点を持っていると「思い込んでいた」だけだったことに気付いたジュディもショックだっただろうと思う。

 

 結局、黒幕は副市長のベルウェザーだったことが分かるんだけど、ベルウェザーは悪人(悪羊か)だったのかと言われると、これも微妙な話で。

名ばかり副市長としてこき使われて、有り合わせのマグカップ(ロゴの世界一のパパ、のパパの部分を赤ペンで消して副市長と書き直されてる)なんか押し付けられて、これでは市長を陥れようと思っても仕方がないんじゃないか。草食動物が市長になったら世論も大きく動きそうだしね。

 

 ベルウェザーの自白を誘発するために一芝居打つシーンがある。映画冒頭で幼いジュディが学芸会で行ったのと同じように、肉食動物(ニック)に襲われて大袈裟に死んでみせるシーンだ。

学芸会では、「でもこんな(前時代的な)ことはもうあり得ません」という文脈で語られていたが、直後にいじめっ子のギデオン・グレイ(キツネ)と揉めて怪我をさせられている。肉食も草食も関係ないという語り口から、今でも肉食動物は野生の本能を持っているということが示され、ジュディの中にもトラウマとしてそれは植えつけられている。

それを物語の最後でもう一度、学芸会と同様に大袈裟に演じてみせることで、「やっぱり、草食も肉食も関係ないんだ」とジュディの腹が決まったことが分かる。そして自分のトラウマをもここで解消してしまう。

なんというカタルシス。上手いというか巧いというか。さすがディズニーだと思った。

 

 この物語は一応完結するけれど、何もかも全て解決されたわけではない、とは言え、みんなの心の中が少し良い方に変わったんだろうと思える。きっとこれからも彼らは色々な困難を乗り越えていくんだろうと思わせるエンディング。

ニックがキツネ初の警察官になるのも、ちょっとハッピーすぎるけれど「ズートピアでは何にだってなれる」というポイントを最後に思い出させてくれた。

 

とりあえず凄くよかった。めっちゃ長くなった。

早くDVDを出してほしい。

アイアムアヒーロー(原作未読)

2016.04.26 16:30

AC スクリーン5

 

学校帰りに。

夕飯を食べていなかったので、

レモネード450円とナチョスWソース600円を購入。

お客はわたしと、前の方にカップルが1組。

 

なんでもいいから映画が見たかったため、

とりあえず映画館へ向かいながら上映スケジュールを確認した。

原作は未読だったが、その評判はよく聞いていたので

これで面白かったら読もう、もしくは

つまらなかったら確認のため読もうという適当な気持ちで観賞。

 

早急に原作が読みたい。

けれど、まだ連載中らしい。

完結していない作品を追いかけるのは苦手だ。

漫画雑誌を読む習慣がないので情報を追いきれずに脱落してしまう。

完結したら読みたい。

 

若干コミュ障気味の漫画アシスタントが主人公の英雄。安心安全の大泉さん。

うだつの上がらない感じがとてもいい。

脇役に塚地さんやマキタさんが出ているのも嬉しい。

わたしは芝居のうまい芸人が好きなのだ。

てっこを片瀬さんがやっていたのも、可愛くてちょっと疲れてて生活感があってよかった。あと単純に片瀬さんが好き。

 

ちょこちょこ原作とは違う設定や描写になっているのだろうなという印象。

漫画という紙面上で描かれるにしては、登場人物の死に方が自害だったり揉み合った末の事故だったり、小規模なのが多かったのでそんな風に思いながら見ていた。

 

好きなシーンは、

持ち込みを断られた英雄が売れっ子の漫画家、中田の作品を公園で読むところ。

面白い、と言って笑う。そしてより落ち込む。

やっかみから文句の一つでも言ってやろうと思ったのに。

英雄が漫画を本当に好きなこと、貧乏で燻ぶっているけれどもまだ心は曇ってないということが分かる。

情けないけど誠実な人間なのだと思う。

観賞者をぐっと映画に引き寄せている。

 

それから猫缶を食べる比呂美ちゃんも可愛かった。

有村さんもいつまで高校生させられんだろうと思うけれども。

 

いつも癒し系・待つ女みたいな役しかやっていないイメージの(失礼)長澤さんが、

立ち回りもかっこよくアクションもしていたのが素敵。

クソムシみたいなキャラクターだったけど吉沢さんが久々に見れて嬉しい。

胡散臭さ、宗教っぽさがはまっていた。マジでクソ野郎。勘違いっぷりも良い。

 

ゾンビ(映画ではZQN)をバシバシ殺していく描写は爽快感たっぷり。

ゴア描写は苦手なので途中などは薄目で見ていたけれど、

痛々しいシーンなどはあまりなく、むしろ殺す側の表情や動作に焦点があたっていたように思う。

アベサンがZQN化した妻を手にかけるシーンは、悲しいけど幸せでもあったのかな。

 

多分映画は、漫画の中の一編をピックアップして作っているんだろうけれども、

完結していない話を上手にまとめていると思う。

何も解決してはいないけれど、ちゃんと希望も残されているように思えるし、

アウトレットで集団に参加し、脱出したということは通過儀礼の側面も持つだろう。

ただの情けない男がちゃんと覚醒して仲間を守るために戦っているし。

銃をかまえる英雄はかっこよかった~

 

というわけで、原作を読みたいです。まとめて。

残穢(原作既読)

2016.3.10 19:00

AC スクリーン5

 

企業説明会を受けた帰りにコーヒーを飲みながら『残穢』の情報を見ていた。

就活をしていると頭が冴えてしまうというか、無理やり引っ張り上げたテンションの下ろしどころがないような気持ちになる。行動力メーターがありあまってるというか。

一番最後の上映が、今出れば十分間に合う時間だったのである。

 

映画は上映前から気になっていて、原作を文庫で購入して読了していた。

「手元に置いておくのもおぞましい」という前評判がとても好きだった。

幽霊も狂人も出て来ない。民俗学的な、遅効性の毒みたいな話。

これは日本人でないと分からない感覚かもと感じながら読んでいた。

映画を見るお金がなかったから原作を読んだのに、結局映画を見たくなってしまった。

 

で、映画。

お客はわたしの他に5人くらい。

 

本はじわじわ効いてくる感じ、

寝る前にちょっと思い出して布団を深くかぶりたくなる感じだったけど、

映画のほうは程よくビックリ系。

 

さらっとした乾燥した色味の映像。セピアっぽい。

俳優さんたちの演技もあまり感情の起伏を出さないようにしてるのか、

とても淡々としてた。

竹内さんの「私」や、キツネみたいな佐々木さんの平山夢明役、

綾辻行人役の滝藤さんなど、好きな俳優さんばかり(映画では違う名前になっている)。

とにかく淡々とした普通の日常や調査のシーンと、恐怖映像ドーンが交互に来る。

花嫁の母親はいいけど炭鉱夫のCGはどうなんだろうと思った。

気持ち悪いけど。

 

時々差し挟まれる綺麗な遠景ショット、

「私」夫妻が土地を買うシーンとか。

綺麗だし、「土地」という物語中でも重要なものを映している、が

脈絡がないように思えたりした。

「私」夫妻の建てた家は素敵だったな。

 

気がふれた母親は精神病なのだと思う。

「あなたもやつらの仲間なの」という台詞とか。

元々精神を患っていたところに穢れも加わって相乗効果という感じなのかな。

 

結末は

原作ではふわっと集合して、またふわっと離散していく。

それぞれの生活と、蓄積された土地の記憶に触れる時間、

二つの時間の流れを往復するような動き方があった。

映画のほうでは最後に編集者が穢れに触れてしまって……続く。

続くのかー。

時代をどんどん遡っていって、そして現代に振り戻されるという形。

仏壇や神棚まみれのぼろぼろの古民家に出てた炭鉱夫が

現代的な編集事務所にも同じように登場するというのは異様だった。

 

幽霊をあまり信じていない。

それらは人や土地家屋や環境にこびりついた記憶みたいなものだと思う。

ラジオみたいに人それぞれチャンネルが合って、

そういう野良記憶にチャンネルを合わせやすい人が霊感の強い人ってことになる。

と思う。

呪い(まじない)に関しては、人の思いというのも脳が出す物質?電流?だから、

それなりの強度がある思いなら、体を飛び出しても不思議ではないように思う。

オーラのようなものも、それらの記憶や思いが体から染み出してるんだろうなって考えている。

 

そういう色んな膨大すぎる情報が、

人間とか動物とか生物まみれの地球には染みついていて

地層のように重なり合ってその上にわたしが立っているんだろうなと、

そして生活している中で

心が弱ったり、環境を変えたり、そうでなくて本当に偶然マッチングしてしまったりすることで

地層の下に眠っていた記憶を引き当てて共鳴してしまうことってあるんだろうなと

そのように思いました。